2012年12月27日

ドル円円安と日本の製造業

円安が続いていますね。
大変喜ばしいことです。
これで新年からは製造業もかなり景気が良くなってくるのではないでしょうか。

前回や以前のドル円予想が当たり続けています。
先週か先々週位に日本の貿易赤字が過去最大となりましたが、恐らくそれを見て状況を見定めていた大口投資家もこれからは円安だと判断したのでしょう。
発表から数週間で非常に激しい円安となっています。
普通だと自民勝利の瞬間から少し調整が入って、円の買戻し(今まで円売りで入っていた大勢の人々の利益確定注文)が起こりそうなものなんですがね。
いや、確実にその利益確定はあったでしょう。
しかし、その大量の注文以上に、そこから円売りに入る人々の方が多かったと言う事ですね。

それだけの円売り圧力があります。
まぁ、30数年連続貿易黒字でその間円買い基調できていた円ですから、長期フローで塩漬けになっているポジションもあれば、半自動の円買いオプションも多数あった事でしょう。
それらが30数年経った今、円売り方向へ変換しようとしているのです。
今までの円安方向とは全く規模の違う、円の機軸が根本から覆る圧倒的円安圧力が始まりつつあると言えます。
安全通貨として機能してきた円も、貿易黒字であるからという側面が強かったでしょう。
それら、円高の要因となってきた原因が、今、壊れたのです。

こう言うといかにも円安=日本が悪くなって行っているような印象を持つ方もいますが、そんな事はありません。
よく通貨の高さはその国の国力の高さであるという説を見ますが、それは間違いです。
もしそうであれば、独歩高でまさに世界一の強さを誇った円が通貨である日本は世界に対し強い発言力を持つ事になりますが、実際にはそんな事は無く、国連の拠出金を米国に次いで払っているにも関わらず、遂に常任理事国入りが出来なかった体たらくでした。
通貨自体が投機対象となっている現代の為替の概念では、通貨が国力を表す事は無く、その価値は市場のトレンドによって如何様にも変化します。

この歴史的円安転換。
もしかしたら日本の輸出企業勢の本格的復活となるかもしれません。
以前のバブルとはいかずとも、その足元位の好景気までは生みそうな気がします。
ドル円が200円を超える位の勢いで回復したら、ですが。
無論、製造業を始め、ものづくりで日本が完全復活する事はもう無いでしょう。
東南アジアを始めとする海外の安い労働力による価格に、日本は絶対に勝てないからです。
日本国内で作るものは、高品質品や高い付加価値を持った物に絞り、今まで積み上げてきた莫大な資金を元に安い海外の労働力を使って利益を上げていくモデルに、徐々にシフトしていくと思います。
いや、既に大手企業は皆そのようにシフトしています。
今後は中堅、中小企業でさえもそうなっていくでしょう。
製造業に携わる者として、それをひしひしと感じています。
それは時代の流れであって、イギリス・アメリカ等工業先進国全てが通ってきた道ですし、逆らおうとは思っていません。
むしろ、機転と柔軟性のある日本企業ならば、これから本格的に中小企業が海外を視野に入れたビジネスに触れる事でチャンスが広がっていく気がします。

何にしろ、円安は喜ばしい事です。
このまま貿易赤字と円安が続けば、輸出勢の強い好景気を呼び込むでしょう。
そして、それは輸出企業で出来ている日本において、サービス業や家計にも数ヶ月~半年位のタイムラグを経て利得をもたらすでしょう。

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