2012年10月4日

ドル円

持ち直してきましたね。
今回の要因は、やはりバーナンキFRB議長がアメリカ経済が上向いてきた事を示唆した発言だろうか。バーナンキは輸出政策を進めるオバマ政権を支援するためか、事あるごとにドル安を主導してきた人物だが、そのバーナンキが経済の持ち直しを認めたと言う事でドル買いが起こったという事だろう。
見慣れてしまったが、相変わらず日本の貿易収支が赤字なのも投資家のマインドに作用していると思われる。長期的に見ると、1ドル360円が崩れてからというもの、今まで日本は貿易黒字であったからこそ、投資家は実需が自動車等を売って回収した外国通貨を円に変える動きについて行こうと円高が進んできたわけだが、今それが逆転している。
海外では原爆事故後も日本の対応などに対して高い評価があるので、持ち直してまた貿易黒字化するだろうという思惑が強く、現在は本格的な円安に発展してはいないが、このまま貿易赤字が続けば投資家のマインドは疑心暗鬼になり、ある所で爆発的円安になる事が予想される。
数十年ぶりに日本が貿易赤字に転落したという初めての報道後2~3ヶ月で10円近くも円安になった。ファンドや大口投資家筋がいよいよ間違いないと判断すれば、急激な円安が起き、それに市場が釣られて加速度的な円安となるだろう。
また、中国問題の危機感から海外勢の円買いが下火になりつつあるのも理由の一つと思われる。

以前の記事で書いたように、実需が外国通貨を円に変える量は大した額では無い。その動きに釣られる市場こそが大きいのである。そして、実需の場合、投資家と違って売った後に買う買った後に売るという反対売買が無いので、永続的に一方向にポジションが蓄積していく。その効果を考えてポジションを持つ投資家もいる。

それにしても、実需の頑張りで売上が上がれば上がるほど利益が小さくなるとは、皮肉な構造である。製造業に身を置く私としては、非常に歯痒い。いっそ円を捨ててドル使用国になってしまえば問題無いのに・・・。または、現在検討中のように円をほぼ無制限に刷れるようにして、円の価値を下げるとか。色々問題はあるのだろうが、結局この国にとって「円安は全てを治す」のである。多少の問題など、経済の好景気の前では消し飛ぶはずである。大体、まさに今アメリカがそれをやっているのだ。国際社会の非難をかわせるという意味でも、チャンスである。制限付き等を考慮して踏み切ってもらいたい。
あとは元が市場開放されれば……。今はドルもユーロも駄目なので円が買われている訳で、ここで元が開放されれば投資家は元買いに狂奔するはずである。今は成長にストップが掛かりつつあるようだが・・・。しかし、日欧米に比べれば以前大きく成長余地が残されている中国は、格好の投資対象だろう。
日本が円の価値をコントロール出来たら如何に富めるかを考えると、今中国がやっている事実上の通貨統制が国際社会にとって如何に許し難い行為であるか理解できよう。

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